――七月二十二日(水)
蝉の鳴き声が悪夢から俺を連れ出してくれた。
夏の暑さと夢見の悪さが災いし、大量の寝汗をかいた俺の喉は砂漠のように干からびていた。
もう何度見たかもわからない悪夢。おかげで夏休み初日だというのに普段登校する時間に目を覚ましてしまった。もう少し寝ていたかったのに。
寝巻を着替えてカーテンを開けると目も眩むほどの光が体中を包み込む。見れば空には雲ひとつなく、海のような青さが広がっていた。
「お、これはいけるな」
梅雨も終盤に入ったからか、最近は晴れた日が長く続いている。
これならば問題なく練習ができそうだ。
冬木との間には「夏祭りに行く代わりに練習を邪魔しない」という契約が結ばれている。休み中の俺は無敵だ。
合宿までの準備期間として今日は部活がない。が、そんなことは関係ない。部活がないのなら市営のコートを借りてやればいいだけの話。暇を持て余しているだろう部員たちの誰かを誘って練習に行くとしよう。
さっそく部活の仲間に連絡をするべくスマホを取り出す。すると、見計らったかのように着信音が鳴り響いた。
画面には冬木千歳という四文字。
蝉の鳴き声が悪夢から俺を連れ出してくれた。
夏の暑さと夢見の悪さが災いし、大量の寝汗をかいた俺の喉は砂漠のように干からびていた。
もう何度見たかもわからない悪夢。おかげで夏休み初日だというのに普段登校する時間に目を覚ましてしまった。もう少し寝ていたかったのに。
寝巻を着替えてカーテンを開けると目も眩むほどの光が体中を包み込む。見れば空には雲ひとつなく、海のような青さが広がっていた。
「お、これはいけるな」
梅雨も終盤に入ったからか、最近は晴れた日が長く続いている。
これならば問題なく練習ができそうだ。
冬木との間には「夏祭りに行く代わりに練習を邪魔しない」という契約が結ばれている。休み中の俺は無敵だ。
合宿までの準備期間として今日は部活がない。が、そんなことは関係ない。部活がないのなら市営のコートを借りてやればいいだけの話。暇を持て余しているだろう部員たちの誰かを誘って練習に行くとしよう。
さっそく部活の仲間に連絡をするべくスマホを取り出す。すると、見計らったかのように着信音が鳴り響いた。
画面には冬木千歳という四文字。