――五月二日(土曜)
「すまん、もう一回言ってくれ」
「えっとね、ここの問題はこの式を使って――」
「というか問題文の意味がわからん」
「ええー……」
市営図書館の学習室で俺の右席に座っている冬木が困惑の声をもらした。数学の教科書を片手に困ったように眉を下げている。
「どうしようみなみちゃん。誠くん、もの凄く馬鹿だあ」
「あはは、本人の前でそれを言っちゃうんだ」
左席では眼鏡をかけたみなみが苦笑いを浮かべていた。
ただでさえお節介焼きで高校生とは思えないのに、眼鏡までかけると完全に女子高生のフリをしたOLだな。
なんて、こんなくだらないことを考えているから俺は勉強ができないのだろう。
「すまん、もう一回言ってくれ」
「えっとね、ここの問題はこの式を使って――」
「というか問題文の意味がわからん」
「ええー……」
市営図書館の学習室で俺の右席に座っている冬木が困惑の声をもらした。数学の教科書を片手に困ったように眉を下げている。
「どうしようみなみちゃん。誠くん、もの凄く馬鹿だあ」
「あはは、本人の前でそれを言っちゃうんだ」
左席では眼鏡をかけたみなみが苦笑いを浮かべていた。
ただでさえお節介焼きで高校生とは思えないのに、眼鏡までかけると完全に女子高生のフリをしたOLだな。
なんて、こんなくだらないことを考えているから俺は勉強ができないのだろう。