「――っ」
またも、頭が痛んだ。
やっぱりそうだ、既視感の後にはいつも頭痛が起きる。
頭の中にはいくつものガラス片が突き刺さるような鋭い痛み。問題はそれだけではない。
「……すまん、何の話だっけか」
痛みが治まると、決まって直前の記憶が曖昧になるのだ。どんな会話をしていたか、自分が何を考えていたのかがまるでわからない。ただ「前にも同じようなことがあった気がする」という既視感だけが残る。
先週の休みには病院にも行ったが原因は不明。検査をしても脳に異常は見つからなかった。
今わかっているのは、何かのきっかけで既視感を覚えることと、頭痛直前の記憶が抜け落ちること、そして――。
「誠くん?」
――頭痛が起きるとき、大抵その場に冬木がいること。
「悪い、何でもない」
心配をかけさせまいと気丈に振る舞うも、奇妙な感覚が胸を満たしていた。
またも、頭が痛んだ。
やっぱりそうだ、既視感の後にはいつも頭痛が起きる。
頭の中にはいくつものガラス片が突き刺さるような鋭い痛み。問題はそれだけではない。
「……すまん、何の話だっけか」
痛みが治まると、決まって直前の記憶が曖昧になるのだ。どんな会話をしていたか、自分が何を考えていたのかがまるでわからない。ただ「前にも同じようなことがあった気がする」という既視感だけが残る。
先週の休みには病院にも行ったが原因は不明。検査をしても脳に異常は見つからなかった。
今わかっているのは、何かのきっかけで既視感を覚えることと、頭痛直前の記憶が抜け落ちること、そして――。
「誠くん?」
――頭痛が起きるとき、大抵その場に冬木がいること。
「悪い、何でもない」
心配をかけさせまいと気丈に振る舞うも、奇妙な感覚が胸を満たしていた。