――時間後。

「おいしかったね。千歳ちゃんが食べてたハンバーグも凄くおいしそうだった!」
「でしょ! ジューシーだったよ!」

 盛り上がるふたりの後ろで俺はまたも無言の背後霊になっていた。全く会話についていけない。だって何も食べてないし。

 というか昼食に一時間ってどういうことだ。
 まずメニューを決めるまでの時間が長い。「あれも美味しそう」「これも美味しそう」の繰り返しで一向に決まらない。
 そして食べるのが長い。食べる時間よりもお喋りに費やす時間の方が多いからだ。

 女子ってみんなこうなのか?

「次はどこ見よっか?」

 満足そうにお腹をさするみなみが訊ねると、冬木は「洋服を見に行きたい!」と即答。当然のように俺も付き合わされることになった。帰りたい。