表を眺め、一組から順に目を通していく。
「財前誠、財前誠……あー、俺三組だ」
毎度のことながらさ行という五十音では中途半端な位置のせいで名前を見つけづらい。ざっと確認した感じみなみとは違うクラスのようだ。財前誠と佐倉みなみ、ふたりともさ行だから同じクラスだとしたらすぐに気が付く。
「あちゃー私五組だ。高校では別々だね」
「むしろ九年間同じクラスだった小中学生時代がおかしい」
「たしかに」
ともあれ見るものは見られたし、さっさと体育館に向かうとしよう。あまり長居すると他の生徒たちの邪魔になる。
再び生徒たちの隙間に身を通し、人ごみからの離脱を図る。
――だが。
「いてっ」
背後から他の生徒に押されたせいでつい躓いてしまった。
勢いのまま前方の生徒にぶつかり、「あ」と気まずい声が出る。
「えっと、ごめん」
慌てて謝り顔色をうかがう。
俺の眼前には子柄な女の子が立ち尽くしていた。
前髪が僅かに目にかかっていて大人しそうな女の子。雪のように白い肌と真っ黒な髪の毛の対比がどことなく儚い雰囲気を醸し出しているが、その反面、首から下げている銀のハート型ネックレスが朝日を反射させていてとても自己主張が激しい。
「あ……」
女の子は俺の顔を見るや否や目を見開いて硬直した。
まるで、時間でも止まっているかのようだった。
「財前誠、財前誠……あー、俺三組だ」
毎度のことながらさ行という五十音では中途半端な位置のせいで名前を見つけづらい。ざっと確認した感じみなみとは違うクラスのようだ。財前誠と佐倉みなみ、ふたりともさ行だから同じクラスだとしたらすぐに気が付く。
「あちゃー私五組だ。高校では別々だね」
「むしろ九年間同じクラスだった小中学生時代がおかしい」
「たしかに」
ともあれ見るものは見られたし、さっさと体育館に向かうとしよう。あまり長居すると他の生徒たちの邪魔になる。
再び生徒たちの隙間に身を通し、人ごみからの離脱を図る。
――だが。
「いてっ」
背後から他の生徒に押されたせいでつい躓いてしまった。
勢いのまま前方の生徒にぶつかり、「あ」と気まずい声が出る。
「えっと、ごめん」
慌てて謝り顔色をうかがう。
俺の眼前には子柄な女の子が立ち尽くしていた。
前髪が僅かに目にかかっていて大人しそうな女の子。雪のように白い肌と真っ黒な髪の毛の対比がどことなく儚い雰囲気を醸し出しているが、その反面、首から下げている銀のハート型ネックレスが朝日を反射させていてとても自己主張が激しい。
「あ……」
女の子は俺の顔を見るや否や目を見開いて硬直した。
まるで、時間でも止まっているかのようだった。