――四月十九日(日)

 とうとう日曜日が来てしまった。
 待ち合わせの駅まで電車で向かい、改札を出ると人の多さに目がくらみそうになる。
 たったひと駅離れているだけなのに俺の住んでいる地区とはまるで景色が違う。

 近場で最も栄えているこの街は、少し歩けば大型ショッピングモールや水族館、規模は小さいが遊園地まである。そのせいか休日になるとそれなりに混んでしまうのだ。とはいえ、大都会みたいにパーソナルスペースを確保できない程ではない。

「やっほー!」

 人の流れに合わせて歩いていると、やたらとハイテンションな声とともに私服姿の冬木が駆け寄ってきた。無地の白Tシャツに水色のジーパン、足元に目を向ければ白い運動靴を履いている。