校門前には先生と思わしきスーツ姿の男性が立っており、新入生の案内を行っていた。しわひとつないスーツはこの日のためだけに仕立ててきたのだとわかる程に気合の入ったものだった。

「おはようございます」

 校門にさしかかり、軽い会釈とともに挨拶をすると先生はにこやかに「おはよう、校舎の前にクラス分けの表が張り出されているから確認しておくように」と指示をくれる。

 指さされた方角に目をやれば、校舎の前には同じく新入生たちが密集していて、すぐにクラス表があそこなのだと判別できた。

「同じクラスになるといいね」
「俺はどっちでもいいけどな」
「冷たいなあ誠は」

 そんな会話を交わしながら校舎前まで足を進める。白い校舎は築三十年とは思えない綺麗さで、四階建てなこともあり見上げると首が痛くなりそうだ。

 賑やかな新入生たちの隙間を縫うように身を通し、俺たちは早速クラス表に目をやった。

「げ、結構クラスあるな」

 各クラス三十五人の六クラス。話には聞いていたがそこそこの規模だ。
 あまり地元を批判したくはないのだが、お世辞にも都会とは言えないこの街でこれだけの人数が集まるとは思わなかった。もしかすると学校が少なすぎてここに集まらざるを得なかったというのもあるかもしれない。国道沿いから少し外れるだけで田んぼがあるようなところだし。