「それじゃ私こっちだから! また明日ね!」
「ああ、またな」

 スキップしながら横断歩道を渡っていく冬木の後ろ姿を見送り、受け取ったノートを鞄にしまいこむ。
 結局俺は今日も冬木千歳という人間を受け入れてしまった。
 これはきっと、俺の心が弱いからだろう。