もし私があの時死ぬつもりで身代わりになっていたら、おそらく本当に死んでいただろう。それは他でもない私が運命を受け入れてしまっていることになるのだから。

 だからこそ私は抗った。

 運命がある決められていると言っても、私はいじめを乗り越えたし、結果として誠くんを助けることもできた。

 それは何故か。何が鍵になったのか。

 私は人の意志がそこに関係していると思っている。

 これは何も運命に限った話じゃない。
 弱い自分を変えたい。誰かを助けたい。そう思ったなら、強い意志を持って動かなければいけない。意志こそが行動を起こす原動力になるのだから。

 私は死なない、絶対に誠くんを助けて友達になる。そう決めていたから、私は臆せずあの行動をとることができた。それが運命を変えることに繋がったのだと信じている。

「運命なんて関係ないよ。変えれば変わるなら、変えてしまえばいいんだもん」
「まあそれも一理あるかもしれないな」
「でしょでしょ」