そして、そんな時に限って運命は私をあざ笑う。

「おい千歳」

 時間跳躍して初めて私の名前を呼んだのは顔も見たくない金髪の彼女たちだった。

 これも運命の強制力なのか、これから彼女たちが私にしてくることは容易に想像できたし、実際に想像通りだった。

 段々と、精神がすり減っていく。

 いくらなんでも早すぎるかな。まだ過去に戻って一週間くらいだ。

 だけどつらいものはつらい。そこに嘘はつけない。第一、私はつい最近自殺をする一歩手前まで追い込まれていたのだ、いくら明るく振る舞っていてもそう簡単に元気になれるはずがない。

 そんなある日の朝、ただいつもより早く目が覚めたからという理由で私は屋上前に足を運んだ。

 見慣れた屋上前はしんと静まり返っていて、朝だからか少しだけ肌寒い。

 私にとってはもう半年以上も通い続けた思い出の場所。
 ここで多くの時間を誠くんと過ごしてきた。暖かくて大切な場所だ。

 なのに、その見慣れた屋上前が今の私には寂しく感じられた。