――四月八日(水)
気が付くと私はざわめく人たちに囲まれていた。見れば制服をまとった生徒たちがそわそわと楽しげに校舎の前に集っていて、ある一点を凝視している。
それはクラス分けの表だった。
表には私の名前も誠くんの名前も書かれている。まぎれもなく半年前の入学式、その当日なのだとわかる。
新入生の群れから避難してひと息つく。
……本当に、戻ってきたんだ。
胸元ではハートのネックレスが小さく揺れている。
夢か幻か、確認のため頬をつねると確かな痛みがあって密かに安堵した。
さて、これからどうしよう。とりあえず入学式だから体育館かな。
ぼんやりとそんなことを考えていた時だった。
「いてっ」
そんな声とともに、人ごみをかき分けてきた誰かが私にぶつかってきた。直後に「あ」と気まずそうな声が聞こえる。
誰だろう。そう思いながら背の高いその人を見上げる。
そして、言葉を失った。
――私の目の前には、誠くんが立っていた。
気が付くと私はざわめく人たちに囲まれていた。見れば制服をまとった生徒たちがそわそわと楽しげに校舎の前に集っていて、ある一点を凝視している。
それはクラス分けの表だった。
表には私の名前も誠くんの名前も書かれている。まぎれもなく半年前の入学式、その当日なのだとわかる。
新入生の群れから避難してひと息つく。
……本当に、戻ってきたんだ。
胸元ではハートのネックレスが小さく揺れている。
夢か幻か、確認のため頬をつねると確かな痛みがあって密かに安堵した。
さて、これからどうしよう。とりあえず入学式だから体育館かな。
ぼんやりとそんなことを考えていた時だった。
「いてっ」
そんな声とともに、人ごみをかき分けてきた誰かが私にぶつかってきた。直後に「あ」と気まずそうな声が聞こえる。
誰だろう。そう思いながら背の高いその人を見上げる。
そして、言葉を失った。
――私の目の前には、誠くんが立っていた。