自分の口下手さが身に染みると同時に、返答を誤ったという焦りで心臓がバクバクと音を鳴らす。ひんやりとした空間なのにじっとりした嫌な汗が額からにじみ出てくる。
嫌われないよう注意すると今しがた胸に決めたばかりなのに、早速嫌われるようなことを言ってしまった。
どうしよう、この人にまで嫌われて、この人にまでいじめられたら。教室にもここにも完全に私の居場所がなくなってしまう。
生まれ持った暗い性格と、いじめによって歪んだ自尊心が人を信じる気持ちを私から奪っていた。嫌われたらどうしよう、いじめられたらどうしよう。多くの不安が募って上手に笑えない。上手く人と話すことができない。
身構えて、おそるおそる彼女の表情を伺う。
「へーそうなんだ! いいね! 私と肌交換して~!」
けれど私の心配とは裏腹に、みなみちゃんはまるで気にしていないように「ほら見て、私生え際だけニキビあるんだよねー」なんて言って笑顔を見せてきた。
……あれ?
肩透かしを食らった気分だった。
「は、生え際なら前髪で隠せるから大丈夫……だと思う」
「それもそうだねー。生え際で助かったよほんと」
できものを隠そうと前髪をいじる彼女の姿は和やかで、私の失言など気に留める様子もない。いや、そもそも失言だとすら思っていないようだった。
安堵とともに若干の動揺が入り混じる。
この人も誠くんと同じようにいい人なのだろうか。それとも私をいじめる金髪の彼女たちと同じなのだろうか。
嫌われないよう注意すると今しがた胸に決めたばかりなのに、早速嫌われるようなことを言ってしまった。
どうしよう、この人にまで嫌われて、この人にまでいじめられたら。教室にもここにも完全に私の居場所がなくなってしまう。
生まれ持った暗い性格と、いじめによって歪んだ自尊心が人を信じる気持ちを私から奪っていた。嫌われたらどうしよう、いじめられたらどうしよう。多くの不安が募って上手に笑えない。上手く人と話すことができない。
身構えて、おそるおそる彼女の表情を伺う。
「へーそうなんだ! いいね! 私と肌交換して~!」
けれど私の心配とは裏腹に、みなみちゃんはまるで気にしていないように「ほら見て、私生え際だけニキビあるんだよねー」なんて言って笑顔を見せてきた。
……あれ?
肩透かしを食らった気分だった。
「は、生え際なら前髪で隠せるから大丈夫……だと思う」
「それもそうだねー。生え際で助かったよほんと」
できものを隠そうと前髪をいじる彼女の姿は和やかで、私の失言など気に留める様子もない。いや、そもそも失言だとすら思っていないようだった。
安堵とともに若干の動揺が入り混じる。
この人も誠くんと同じようにいい人なのだろうか。それとも私をいじめる金髪の彼女たちと同じなのだろうか。