「え、行くってどこに?」
実はさっきから、僅かに聞こえていた音があったのだ。
「花火を見るに決まってんだろ」
そう、花火の音だ。
「今から公園に戻るの!?」
そんなまさか。時間的に公園に戻る余裕などない。その頃には花火は終わっているだろう。みなみには悪いが、三人で花火を見ることはどう足掻いても無理だ。
「馬鹿め、ちょうどすぐそこに絶景ポイントがあるだろ?」
「……もしかして」
「そのまさかだ」
俺は冬木を連れて屋上の扉を勢いよく開け放った。一学期の初めに屋上の鍵が壊れているという話は聞いていたが、良かった、まだ直っていないようだ。
「これ、バレたら絶対まずいやつですよ誠さん」
「今更何言ってんだ。合宿でもないのに真夜中の学校で男女が密会してる時点でまずいだろ」
「たしかに! じゃあ大丈夫だね」
「おうよ」
屋上侵入問題はこれで解決だ。すぐ見てこっそり帰ればいい。
実はさっきから、僅かに聞こえていた音があったのだ。
「花火を見るに決まってんだろ」
そう、花火の音だ。
「今から公園に戻るの!?」
そんなまさか。時間的に公園に戻る余裕などない。その頃には花火は終わっているだろう。みなみには悪いが、三人で花火を見ることはどう足掻いても無理だ。
「馬鹿め、ちょうどすぐそこに絶景ポイントがあるだろ?」
「……もしかして」
「そのまさかだ」
俺は冬木を連れて屋上の扉を勢いよく開け放った。一学期の初めに屋上の鍵が壊れているという話は聞いていたが、良かった、まだ直っていないようだ。
「これ、バレたら絶対まずいやつですよ誠さん」
「今更何言ってんだ。合宿でもないのに真夜中の学校で男女が密会してる時点でまずいだろ」
「たしかに! じゃあ大丈夫だね」
「おうよ」
屋上侵入問題はこれで解決だ。すぐ見てこっそり帰ればいい。