「おい冬木、焼き鳥なんてどうだ?」
「お、焼き鳥を選ぶとはわかっているね誠くん。やっぱお肉だよ」
「真似をするな!」
「はは、ふたりとも仲がいいねー」
みなみに茶化されながら、俺たちは次々に食べ物屋台を制覇していった。
驚いたのは冬木の胃袋だ。色白で細くて、例えるならもやしみたいなこいつが次から次へと食べ物を頬張っていく姿には感動すら覚えた。
たこ焼き、うどん、焼きそば、かき氷、最終的にはどちらがたくさん食べられるか競うというところまで発展したくらいだ。ちなみに負けた。こいつ、いつもはお昼にパンひとつしか食べていないくせに。
ひとしきり満腹になると次は金魚すくいや射的をして回る。
数匹の金魚を捕まえた俺と冬木の傍らで延々と網を破り続けるみなみに「もう諦めようぜ」と声をかけるも、「もう少しだけ」と言って聞かない。
普段大人びているみなみが駄々をこねるというの滅多にお目にかかれるものではない。そのせいか途中からは俺も冬木も腕を組んで我が子を見守るようにみなみを応援していた。
「すくう直前まで網を水につけるな!破れやすくなるぞ! 尾ビレで網を叩かれるとすぐに破れるからできるだけ尾ビレを網から外すようにすくうんだ! あとお椀と金魚の距離を近く! 網に金魚を乗せる時間はなるべく短――」
「誠うるさい!」
「すまん!」
怒られた。
結局みなみが金魚をすくうことはできず、同情した店のおじちゃんから好きな子を何匹か貰うという形で落ち着いた。
「お、焼き鳥を選ぶとはわかっているね誠くん。やっぱお肉だよ」
「真似をするな!」
「はは、ふたりとも仲がいいねー」
みなみに茶化されながら、俺たちは次々に食べ物屋台を制覇していった。
驚いたのは冬木の胃袋だ。色白で細くて、例えるならもやしみたいなこいつが次から次へと食べ物を頬張っていく姿には感動すら覚えた。
たこ焼き、うどん、焼きそば、かき氷、最終的にはどちらがたくさん食べられるか競うというところまで発展したくらいだ。ちなみに負けた。こいつ、いつもはお昼にパンひとつしか食べていないくせに。
ひとしきり満腹になると次は金魚すくいや射的をして回る。
数匹の金魚を捕まえた俺と冬木の傍らで延々と網を破り続けるみなみに「もう諦めようぜ」と声をかけるも、「もう少しだけ」と言って聞かない。
普段大人びているみなみが駄々をこねるというの滅多にお目にかかれるものではない。そのせいか途中からは俺も冬木も腕を組んで我が子を見守るようにみなみを応援していた。
「すくう直前まで網を水につけるな!破れやすくなるぞ! 尾ビレで網を叩かれるとすぐに破れるからできるだけ尾ビレを網から外すようにすくうんだ! あとお椀と金魚の距離を近く! 網に金魚を乗せる時間はなるべく短――」
「誠うるさい!」
「すまん!」
怒られた。
結局みなみが金魚をすくうことはできず、同情した店のおじちゃんから好きな子を何匹か貰うという形で落ち着いた。