程なくして玄関先まで送ってくれた冬木に「ありがとう」と小さく礼を言うと何やら苦笑いを返された。
「とても感謝している人の顔には見えないけどね……」
どうやら冬木から見た俺の顔はこの上なく不機嫌なようだ。実際機嫌がいいとはとても言えない。
「ちゃんと体調がよくなったらまた練習復帰させてあげるから! とりあえず今日と明日は自宅待機! いいね?」
「……わかった」
「それじゃあ私戻るから、お大事にね」
俺は泣き出したい気分を抑え、去って行く冬木の後ろ姿を見送った。
◇ ◇ ◇
合宿二日目、俺はベッドの上で茫然と天井を眺めていた。
体調はそこまで悪くない。無理をしなければ練習には参加できる程度には回復はしているだろう。だが、早朝冬木にメールをすると『完全に治るまはでダメ』とばっさり断ち切られてしまった。
大会予選まであと二か月、この調子では先が思いやられる。
「暇だな……」
今頃みんなは楽しく練習中か。いや、もうすぐ午前の練習が終わって昼休憩といったところだろうか。
などと考えていると、突然インターホンが鳴りだした。それも、何度も連続で。まったくもって迷惑だ。そして誰がこの迷惑行為を働いているのかわかってしまう自分が嫌になってくる。
「とても感謝している人の顔には見えないけどね……」
どうやら冬木から見た俺の顔はこの上なく不機嫌なようだ。実際機嫌がいいとはとても言えない。
「ちゃんと体調がよくなったらまた練習復帰させてあげるから! とりあえず今日と明日は自宅待機! いいね?」
「……わかった」
「それじゃあ私戻るから、お大事にね」
俺は泣き出したい気分を抑え、去って行く冬木の後ろ姿を見送った。
◇ ◇ ◇
合宿二日目、俺はベッドの上で茫然と天井を眺めていた。
体調はそこまで悪くない。無理をしなければ練習には参加できる程度には回復はしているだろう。だが、早朝冬木にメールをすると『完全に治るまはでダメ』とばっさり断ち切られてしまった。
大会予選まであと二か月、この調子では先が思いやられる。
「暇だな……」
今頃みんなは楽しく練習中か。いや、もうすぐ午前の練習が終わって昼休憩といったところだろうか。
などと考えていると、突然インターホンが鳴りだした。それも、何度も連続で。まったくもって迷惑だ。そして誰がこの迷惑行為を働いているのかわかってしまう自分が嫌になってくる。