仕事終わりに携帯を開くとその画面に対してため息が出る。
「まただ……」
合コンに行ったあの日から、私の携帯には毎日のように『結月』という文字が映る。
年齢も違う。私だっていい顔をしていない。
それなのになぜ連絡が来るのか不思議だった。
「都築さん結月君の連絡先知ってるんですか」
後ろから後輩が私のことを目を見開いて見てくる。
「そうだけど……」
「いいな。結月君連絡先教えてくれなかったんですよ」
「え?」
耳を疑うようなその発言は次の話題へと軽々と流された。
どうして年も近い後輩に連絡先を教えずに、こんな私の相手をしているのだろう。
「結月君かっこいいですよね。都築さん気にいられたならもっと頑張って結月君といい感じになってくださいね」
そう言い残すと後輩は「お疲れさまでした」と一言残して去っていく。
その後輩の言葉に首を振る。
気に入られているわけではなくからかわれているだけ。いい感じにもならない。
でも確かに顔はきれいだったかもしれない……
ふと思い出す顔にまた首を振る。
「ありえない」
とりあえず返信をしようと携帯に目を戻す。
するともう一件メールが入っていることに気づく。
そこには『一彦』の文字がある。
先ほどまでのふざけているような日常的な気持ちが一気にさめていく。
先に来ている結月のメールより先に一彦のメールに返信しようとする私。
この仕事場で一彦にメールをするのは嫌だった。
外に出てもう一度携帯を開き、確認する。
外は冬の訪れを告げる寒さだ。
でもその寒さを感じられない。
きっと私の心もこの寒さと同じようなんだろう。
私は返信をした。
こんなにも罪悪感のあるメールが存在することを知っている私が嫌だった。
「まただ……」
合コンに行ったあの日から、私の携帯には毎日のように『結月』という文字が映る。
年齢も違う。私だっていい顔をしていない。
それなのになぜ連絡が来るのか不思議だった。
「都築さん結月君の連絡先知ってるんですか」
後ろから後輩が私のことを目を見開いて見てくる。
「そうだけど……」
「いいな。結月君連絡先教えてくれなかったんですよ」
「え?」
耳を疑うようなその発言は次の話題へと軽々と流された。
どうして年も近い後輩に連絡先を教えずに、こんな私の相手をしているのだろう。
「結月君かっこいいですよね。都築さん気にいられたならもっと頑張って結月君といい感じになってくださいね」
そう言い残すと後輩は「お疲れさまでした」と一言残して去っていく。
その後輩の言葉に首を振る。
気に入られているわけではなくからかわれているだけ。いい感じにもならない。
でも確かに顔はきれいだったかもしれない……
ふと思い出す顔にまた首を振る。
「ありえない」
とりあえず返信をしようと携帯に目を戻す。
するともう一件メールが入っていることに気づく。
そこには『一彦』の文字がある。
先ほどまでのふざけているような日常的な気持ちが一気にさめていく。
先に来ている結月のメールより先に一彦のメールに返信しようとする私。
この仕事場で一彦にメールをするのは嫌だった。
外に出てもう一度携帯を開き、確認する。
外は冬の訪れを告げる寒さだ。
でもその寒さを感じられない。
きっと私の心もこの寒さと同じようなんだろう。
私は返信をした。
こんなにも罪悪感のあるメールが存在することを知っている私が嫌だった。