にぎやかな声が散っていく。
「またね！」
友美の元気な声がみんなを笑顔にして送っていく。
「里美もみんなと同じ方向だよね？」
　友美は5人くらいのグループを指して言う。
「うん。でもちょっと寄りたいところあるから今日はここでみんなと別れようかな」
　一日の感情の変化が私の脳を疲れさせていた。
楽しかったのは事実。でも、一人で冷静になりたかった。
いつも行く静かなカフェで読書でもすれば落ち着くかな。
そう思って私は友美が心配しないようにいつものトーンで言う。
「そっか。でも久しぶりに里美に会えてよかった。またお茶しようね」
　抱き着いてくる友美はいつも可愛らしい。
本当に幸せになってもらいたい。
強くうなずいて私は抱き着いてくる友美の頭を優しくなでた。
「いつでも連絡待ってるね」
　最高の笑顔というのはこのことだ。と断言できる光景だった。
「友美。おめでとう」
　顔を見て言う私を友美は涙目で見る。
「ありがとう」
「泣かないの」
　頬の涙を拭いながら言う。私たちの間に笑顔があふれる。
「じゃあね。お幸せに！」
　笑顔で手を振る私を同じく笑顔で友美は返す。
その笑顔が心地よかった。