ニコニコ笑って図々しい頼みをする女子学生に笹野はつい、カッなった。
「いきなりやって来てなんだ!?なぜ僕が知りもしない君なんかと賭け──」
「溝口深雪から先生の事、聞きました」
「……!」
彼女の一言に笹野の顔がひきつる。麗亜はそんな笹野に構わず、大きめのショルダーバッグから新品の紙コップを2つ取り出した。
「深雪ったら最近、大学に来ないんですよね。しかもマンションにも何日も帰ってないみたいで……。私、BD BOXを貸したままなんですよ。もう心配で心配で……」
麗亜は深刻な顔で教壇の上に伏せた紙コップを並べた。
「いきなりやって来てなんだ!?なぜ僕が知りもしない君なんかと賭け──」
「溝口深雪から先生の事、聞きました」
「……!」
彼女の一言に笹野の顔がひきつる。麗亜はそんな笹野に構わず、大きめのショルダーバッグから新品の紙コップを2つ取り出した。
「深雪ったら最近、大学に来ないんですよね。しかもマンションにも何日も帰ってないみたいで……。私、BD BOXを貸したままなんですよ。もう心配で心配で……」
麗亜は深刻な顔で教壇の上に伏せた紙コップを並べた。