「よし!ピヨちゃん、長居は無用よ!その辺の壁に適当に──」

ドゴオオォーーン!!

麗亜に皆まで言わせず、ピヨちゃんはキック一発でコンクリートの内壁に大穴を空けた。
「仕事速っ!さぁ!行くよ!!」
麗亜を先頭に、ピヨちゃんとピヨちゃんにズルズル引きずられた笹野は、燃え盛る巨大な温室から無事、脱出して行った。
「ハァー!ここまでくれば大丈夫!ピヨちゃん、笹野はこの辺に転がしといていいよ!本当は助ける義理はないんだから。温室から焼死体が出たら、後々面倒だから助けただけだし」
『ピヨ!』
ピヨちゃんは嘴を開くと笹野を放した。
「うーん」
その拍子に気絶していた笹野が目を覚ます。