ヒューーン!

「うわッ!?」

ガッ!と笹野の額に黄金色の丸い塊が激突した。笹野は眼を見開いたまま、ゆっくりと“プール”へ倒れ込んで行った。“プール”から、驚いたモルフォ蝶たちが一斉に飛び立つ。眩い光を放ちながら蒼い星たちが天を目指す。相次いで爆発が続き、爆風と振動で温室の天井からガラスの破片が容赦なく降り注ぐ。
「わ!何するのよピヨちゃん!もう汚いな!」
麗亜は“プール”の飛沫を避けて1メートル程跳びすさった。
「ああ、笹野が溺れかけてる。ピヨちゃん、臭い臭いその“プール”からソイツを助け上げてよ。うん、そうそう!」
ピヨちゃんはさっきまでとは打って変わって、てきぱきと笹野のシャツの襟首を嘴で掴むと、あっという間に“プール”から引き揚げた。