“ピーヒョローピー”

可愛らしい寝息を立てて、お昼寝の真っ最中だった。

「くぅ~!何で男ってどいつもこいつも役立たずばかりなの!?もう頭に来た!!」

【ゴエーティア】

麗亜は怒気を含んだ凄味のある声で下等魔術を表す、古代ギリシャ語を唱えた。
「本当に魔女に成りきってるね、城崎君」
笹野は軽口を叩いたつもりだが、麗亜からは本物の殺気が漂っていた。
「滅べ!アダムの息子よ!我が名はリリス!夜の魔女の怒りを知れ!!」
そして最後にピヨちゃんをチラリと振り返る。
「今すぐ来ないなら、元の姿に戻しちゃうから!ピヨちゃん!!」

“ピゃッ!?”

その時、眠れるヒヨコがパチリと眼を覚ました。