笹野は助けを求めるように麗亜を見つめた。
「深雪の実家と奥様の実家が古い知り合いなんですよ。しかも、奥様が通院していた医院が深雪の実家で……。多分、そこで再会したかと──」
「まさか……妻の両親も今回の件を……!?」
「両家合同で秘密裏に息子と娘を捜索中です。私は深雪の親友という事で、彼の両親に依頼されました」
本当は自分から売り込んだんだけどね、とは口にしなかった。
「あ!でもBDの件は本当ですよ!埒が明かないので深雪の実家へ行ったら今回の件に──」
「外聞を慮る、妻の両親には必死に誤魔化していたのに、知らぬは僕ばかりか。とんだ道化だな……」
笹野の瞳は暗い光を宿しながら蝶を眺める。