麗亜は腐敗臭に顔を歪めながらもニッコリと微笑んだ。
「溝口深雪から何を聞いた?」
だが、笹野の顔は麗亜以上に不機嫌に歪んでいた。
「ご自分で確かめたらいかがですか?その蝶達に……?それとも、そこに横たわっているのは深雪ではなく、奥様かしら?」

『ピヨちゃん!こっちに来て!』

麗亜は笹野に見えないように、後ろ手で合図を送る。

しかし、肝心のピヨちゃんは──

“ピヨピヨ!”

水浴びを終えると今度は大はしゃぎで、羽を乾かす為の砂浴びを始めていたのだった。