「ピヨちゃんたら、何だか後光まで差してるよ……。もう、しょうがないなあ」
麗亜はご機嫌なヒヨコを置いて、渋々ながら自分でモルフォ蝶の謎解きをする決心をした。一歩、また一歩と慎重な足取りで窪地に向かう。温室の床にあたる部分には敷地の土がそのまま使われ、必要に応じて腐葉土などの土壌が持ち込まれているらしい。耐えられない程の蒸し暑さと南国の木々、そして群れ飛ぶメタリックブルーのモルフォ蝶。これで大河が流れていれば立派なアマゾン流域である。
「何か変な臭いがしてきたなあ……これって、やっぱり……?」