時刻は午前十時十五分。
当たり前だけど、日曜日の小学校の校舎には誰もいなかった。
強いて言うなら、休日出勤をしている優しそうな女の教頭先生だけ。
教頭先生は私が卒業してから転任された先生みたいで、私と愛藍のことは覚えていないみたい。
だけど小緑のことはよく覚えていると言っていた。
いい思い出かなと期待したけど、瑠璃と一緒に悪さをしていた記憶しか先生は吐かなかった。
終始苦笑いを浮かべて話す先生の姿が印象的だった。
私達は校舎に入ると、まず最初に『図工室』という場所に向かう。
『図工』という物を作る授業はあったけど、図工の授業は教室で行われたためこの教室について私は詳しく知らない。
当時も今も、ただの物置のように使われている。
教室というより倉庫のような部屋だ。
私はその図工室によく出入りしていた記憶がある。
ここは飼育委員が飼育していた生き物の餌がある場所だ。
ウサギのペレッドや金魚と鯉の餌に、昔飼っていたインコの餌もあった。
小緑の情報によると今は鯉しか飼っていないみたいだから、この学校の『飼育委員』と言う言葉は死語となってしまったみたい。
だから、この図工室には何も残っていなかった。
当時飼っていた動物も今となっては殆ど死んでしまって、餌も全て捨ててしまったみたい。
図工室を見渡しても、特に気になる物は残されていない。
諦めてまた別の場所を調べようと思った。
もうここにはようは無さそうだし。
「あたし、ウサギについて調べたいな。そもそもウサギが何を食べるかイマイチ知らないし」
その樹々の一言で、私達はまた移動する。
向かったのはこの小学校小さな図書室。
ウサギなどの動物図鑑があるだろうと私達は期待した。
それに他にも何か情報があるかもしれないし。
図書室は校舎の三階。
予め先生に鍵を借りた私達は階段を上って、図書室へ向かう。
その図書室に向かう廊下で、小緑は足を止めた。
窓を開けて、今度は下を見下ろしている。
「小緑?」
小緑が何を見ているのか気になったから、私は足を止めて小緑と一緒に窓から顔を出す。
樹々と愛藍は先には図書室に入っていったみたいだ。
その真下には、先ほど私達が居たウサギ小屋のある裏庭があった。
上から見ても酷い雑草だ。
でも特に手懸かりはない。
見渡しても特に何もない。
私は視線を校舎内の廊下に戻す。
早く二人を追いかけて図書室に向かわないと、二人はまた喧嘩してしまうだろうし。
だから、『小緑を無視して先を急ごう』かと思ったけど、小緑は何かに気がついたみたいだ。
「茜さんあれです。僕が下から見ていたの」
「え?」
小緑の視線の先は真下の裏庭ではなく、校舎の外側の壁。
そんな高い所に『イタズラの落書きでも書かれているのか?』と思ったがどうやら違うみたい。
ってこれって・・・・。
当たり前だけど、日曜日の小学校の校舎には誰もいなかった。
強いて言うなら、休日出勤をしている優しそうな女の教頭先生だけ。
教頭先生は私が卒業してから転任された先生みたいで、私と愛藍のことは覚えていないみたい。
だけど小緑のことはよく覚えていると言っていた。
いい思い出かなと期待したけど、瑠璃と一緒に悪さをしていた記憶しか先生は吐かなかった。
終始苦笑いを浮かべて話す先生の姿が印象的だった。
私達は校舎に入ると、まず最初に『図工室』という場所に向かう。
『図工』という物を作る授業はあったけど、図工の授業は教室で行われたためこの教室について私は詳しく知らない。
当時も今も、ただの物置のように使われている。
教室というより倉庫のような部屋だ。
私はその図工室によく出入りしていた記憶がある。
ここは飼育委員が飼育していた生き物の餌がある場所だ。
ウサギのペレッドや金魚と鯉の餌に、昔飼っていたインコの餌もあった。
小緑の情報によると今は鯉しか飼っていないみたいだから、この学校の『飼育委員』と言う言葉は死語となってしまったみたい。
だから、この図工室には何も残っていなかった。
当時飼っていた動物も今となっては殆ど死んでしまって、餌も全て捨ててしまったみたい。
図工室を見渡しても、特に気になる物は残されていない。
諦めてまた別の場所を調べようと思った。
もうここにはようは無さそうだし。
「あたし、ウサギについて調べたいな。そもそもウサギが何を食べるかイマイチ知らないし」
その樹々の一言で、私達はまた移動する。
向かったのはこの小学校小さな図書室。
ウサギなどの動物図鑑があるだろうと私達は期待した。
それに他にも何か情報があるかもしれないし。
図書室は校舎の三階。
予め先生に鍵を借りた私達は階段を上って、図書室へ向かう。
その図書室に向かう廊下で、小緑は足を止めた。
窓を開けて、今度は下を見下ろしている。
「小緑?」
小緑が何を見ているのか気になったから、私は足を止めて小緑と一緒に窓から顔を出す。
樹々と愛藍は先には図書室に入っていったみたいだ。
その真下には、先ほど私達が居たウサギ小屋のある裏庭があった。
上から見ても酷い雑草だ。
でも特に手懸かりはない。
見渡しても特に何もない。
私は視線を校舎内の廊下に戻す。
早く二人を追いかけて図書室に向かわないと、二人はまた喧嘩してしまうだろうし。
だから、『小緑を無視して先を急ごう』かと思ったけど、小緑は何かに気がついたみたいだ。
「茜さんあれです。僕が下から見ていたの」
「え?」
小緑の視線の先は真下の裏庭ではなく、校舎の外側の壁。
そんな高い所に『イタズラの落書きでも書かれているのか?』と思ったがどうやら違うみたい。
ってこれって・・・・。