「海苔を巻いていない三角が高菜のおにぎりで、巻いてあるのが鮭。とろろ昆布を巻いてあるのが梅で、俵型がシラスと鰹節をしょうゆで味つけして混ぜ込んだものです」
「ほう。これは美しいな。とろろ昆布を海苔がわりにするとは新しい」
「中の梅も、梅干しじゃなくてカリカリ梅を刻んだものなんです。しゃきしゃきした食感がとろろ昆布にすごく合うんですよ!」
「じゃあ、梅をいただくとするか」
そう決めて手を伸ばそうとした叔父さんだけど、こっちのも好きかも、と説明を追加する。
「シラスと鰹節のもオススメなんです。一心さんが朝から削っていた新鮮な鰹節ですよ!」
「……新鮮と表現していいのかわかりませんが、削りたての鰹節を使っています」
私の説明を受けて、一心さんが苦笑する。まるごと一本の鰹節を、一心さんがかんなのような器具で削っているのを見たときはびっくりした。削る前の鰹節の姿を知らなかったのだ。
「なるほど。最近は私もパックに入っている鰹節を使うが、削ったものはやはり香りが違うな。やはりまずはこちらからいただこう」
叔父さんはむむむと迷った末、香りにあらがえず俵型のおにぎりを手に取った。
「結ちゃんにオススメされたら、あっという間におにぎりがなくなりそうだな」
司さんが、ビール片手に覗き込んでくる。
「司。お前も酒ばかり飲んでないで、用意してもらったものも食べなさい」
「はいはい。わかったよ、おじさん。まったく、元気になったら俺のほうが食生活チェックされるようになっちゃって」
そう言いつつも司さんはうれしそうに笑っている。叔父さんはふん、と目を逸らしているが。
「そういえば叔父さん、あれ渡さなくていいのか?」
「あ、ああ……。そうだな」
叔父さんは紙袋に目をやりながらもじもじしている。それの中身、気になっていたんだ。
「ほう。これは美しいな。とろろ昆布を海苔がわりにするとは新しい」
「中の梅も、梅干しじゃなくてカリカリ梅を刻んだものなんです。しゃきしゃきした食感がとろろ昆布にすごく合うんですよ!」
「じゃあ、梅をいただくとするか」
そう決めて手を伸ばそうとした叔父さんだけど、こっちのも好きかも、と説明を追加する。
「シラスと鰹節のもオススメなんです。一心さんが朝から削っていた新鮮な鰹節ですよ!」
「……新鮮と表現していいのかわかりませんが、削りたての鰹節を使っています」
私の説明を受けて、一心さんが苦笑する。まるごと一本の鰹節を、一心さんがかんなのような器具で削っているのを見たときはびっくりした。削る前の鰹節の姿を知らなかったのだ。
「なるほど。最近は私もパックに入っている鰹節を使うが、削ったものはやはり香りが違うな。やはりまずはこちらからいただこう」
叔父さんはむむむと迷った末、香りにあらがえず俵型のおにぎりを手に取った。
「結ちゃんにオススメされたら、あっという間におにぎりがなくなりそうだな」
司さんが、ビール片手に覗き込んでくる。
「司。お前も酒ばかり飲んでないで、用意してもらったものも食べなさい」
「はいはい。わかったよ、おじさん。まったく、元気になったら俺のほうが食生活チェックされるようになっちゃって」
そう言いつつも司さんはうれしそうに笑っている。叔父さんはふん、と目を逸らしているが。
「そういえば叔父さん、あれ渡さなくていいのか?」
「あ、ああ……。そうだな」
叔父さんは紙袋に目をやりながらもじもじしている。それの中身、気になっていたんだ。