「店長さん、結さん。まごころ通りのみなさんに紹介したい人がいるんです」
夏川先生はにこにことうれしそうな顔で私たちに話しかけてくる。
「あっ、はい! じゃあみんなを集めてきますね」
不思議に思いながらも、響さんとミャオちゃん、猫カフェのオーナー夫妻を呼びに行く。
みんなが集まると、四葉さんが名刺を差し出しながら前に進み出た。
「わざわざ集まってもらってすみません。私、今度まごころ通りに出店することになったパティスリーの店主で、佐藤四葉といいます」
よく通るハスキーな声、少し男っぽい口調で説明する四葉さん。四葉、は名字じゃなくて名前だったのか。
いただいた名刺には、【洋菓子店『SWEET Clover』店主 佐藤四葉】という名前と、お店のアドレスが書いてあった。
「あの空きテナント、やっぱりケーキ屋さんになるんですね。看板がなくなっていたから、気になっていたんです」
「うん。まだ準備中だから、開店は来月からになるけどね。ケーキは好き?」
「はい、大好きです! オープンしたら真っ先に買いにいきますね」
「ほんと? ありがとう」
四葉さんが微笑みながら、頭をぽんぽんと撫でてくれる。その仕草があまりにも自然でイケメンじみていたから、女性なのに条件反射でドキッとしてしまった。
「あんた……そっちの趣味あったの? 早く言ってくれればいいのに」
それに気づいた響さんがからかうような目で見てくる。
「ち、違います! 四葉さんがその、かっこいいから」
「四葉ちゃん昔から、女の子にモテるのよね。実は私の初恋も四葉ちゃんなんです。そのときは男の子だと思っていたんですけど」
夏川先生はうふふ、と笑っているけれど、それは笑いごとですませられる思い出なのだろうか。
「SWEET Cloverっていうのがお店の名前なの? 自分の名前とかけてる?」
「ご名答」
手を顎に添えながら首をかしげる響さんに、四葉さんはニッと笑う。
「あたしのバーも、自分の響って名前をつけてるの。センスが同じ者同士、仲良くやりましょ」
「ええ、ぜひ」
響さんの伸ばした手を、四葉さんがしっかりと握る。
女性的な響さんに、男性的な四葉さん。不思議なコンビだけど、姉御肌な雰囲気が共通しているから、意外と気が合うのではないだろうか。
夏川先生はにこにことうれしそうな顔で私たちに話しかけてくる。
「あっ、はい! じゃあみんなを集めてきますね」
不思議に思いながらも、響さんとミャオちゃん、猫カフェのオーナー夫妻を呼びに行く。
みんなが集まると、四葉さんが名刺を差し出しながら前に進み出た。
「わざわざ集まってもらってすみません。私、今度まごころ通りに出店することになったパティスリーの店主で、佐藤四葉といいます」
よく通るハスキーな声、少し男っぽい口調で説明する四葉さん。四葉、は名字じゃなくて名前だったのか。
いただいた名刺には、【洋菓子店『SWEET Clover』店主 佐藤四葉】という名前と、お店のアドレスが書いてあった。
「あの空きテナント、やっぱりケーキ屋さんになるんですね。看板がなくなっていたから、気になっていたんです」
「うん。まだ準備中だから、開店は来月からになるけどね。ケーキは好き?」
「はい、大好きです! オープンしたら真っ先に買いにいきますね」
「ほんと? ありがとう」
四葉さんが微笑みながら、頭をぽんぽんと撫でてくれる。その仕草があまりにも自然でイケメンじみていたから、女性なのに条件反射でドキッとしてしまった。
「あんた……そっちの趣味あったの? 早く言ってくれればいいのに」
それに気づいた響さんがからかうような目で見てくる。
「ち、違います! 四葉さんがその、かっこいいから」
「四葉ちゃん昔から、女の子にモテるのよね。実は私の初恋も四葉ちゃんなんです。そのときは男の子だと思っていたんですけど」
夏川先生はうふふ、と笑っているけれど、それは笑いごとですませられる思い出なのだろうか。
「SWEET Cloverっていうのがお店の名前なの? 自分の名前とかけてる?」
「ご名答」
手を顎に添えながら首をかしげる響さんに、四葉さんはニッと笑う。
「あたしのバーも、自分の響って名前をつけてるの。センスが同じ者同士、仲良くやりましょ」
「ええ、ぜひ」
響さんの伸ばした手を、四葉さんがしっかりと握る。
女性的な響さんに、男性的な四葉さん。不思議なコンビだけど、姉御肌な雰囲気が共通しているから、意外と気が合うのではないだろうか。