数分間なにか話したあと、春乃と冬哉は千秋に小さく手を振り、校門に向かって歩き出した。千秋はしばらく立ち止まって彼らの背中を見送っていたけれど、忘れものでもしたのか、踵を返して来た道を戻っていった。
二手に分かれた幼馴染たちの姿を見つめながら、私は自分の鼓動が妙に忙しないのを自覚した。
彼らとは家が近所で、幼いころから中学、高校まで同じ、いわば腐れ縁というやつだ。
春乃と私は幼稚園の年少クラスで出会い、ふたりとも外に出るより室内で折り紙やビーズで遊ぶほうが好きだったことから仲良くなった。
年長のときに冬哉が同じクラスになり、私のいないところで男の子たちにからかわれていた春乃を、彼が助けてくれたのがきっかけだ、私も含めて三人でよく遊ぶようになった。
そして、小学校に上がった七歳のとき、千秋が同じ学区内に引っ越してきた。私たちの通っていた学校に転入してきて、そのときはクラスが違うので面識はなかったのだけれど、たまたま公園で遊んでいるときに出会って、一緒に行動するようになった。千秋は私たちからするとずいぶん変わった雰囲気をもっており、だからこそ私たちは彼のことが気になって仕方がなくて、やいのやいのと声をかけては遊びに連れ出していた。
学校の校庭や近所の公園、原っぱや土手、誰かの家やその庭、とにかくどこで遊ぶにも四人で出かけていた。
周りの親や友達からは『仲良し四人組』と呼ばれたり、偶然にもそれぞれの名前に春夏秋冬が入っていることから、からかいまじりに『劇団四季』などと呼ばれたりしていた。
二手に分かれた幼馴染たちの姿を見つめながら、私は自分の鼓動が妙に忙しないのを自覚した。
彼らとは家が近所で、幼いころから中学、高校まで同じ、いわば腐れ縁というやつだ。
春乃と私は幼稚園の年少クラスで出会い、ふたりとも外に出るより室内で折り紙やビーズで遊ぶほうが好きだったことから仲良くなった。
年長のときに冬哉が同じクラスになり、私のいないところで男の子たちにからかわれていた春乃を、彼が助けてくれたのがきっかけだ、私も含めて三人でよく遊ぶようになった。
そして、小学校に上がった七歳のとき、千秋が同じ学区内に引っ越してきた。私たちの通っていた学校に転入してきて、そのときはクラスが違うので面識はなかったのだけれど、たまたま公園で遊んでいるときに出会って、一緒に行動するようになった。千秋は私たちからするとずいぶん変わった雰囲気をもっており、だからこそ私たちは彼のことが気になって仕方がなくて、やいのやいのと声をかけては遊びに連れ出していた。
学校の校庭や近所の公園、原っぱや土手、誰かの家やその庭、とにかくどこで遊ぶにも四人で出かけていた。
周りの親や友達からは『仲良し四人組』と呼ばれたり、偶然にもそれぞれの名前に春夏秋冬が入っていることから、からかいまじりに『劇団四季』などと呼ばれたりしていた。