「春にはお花見に行ってー、草餅食べてー、公園で風船とかしゃぼん玉飛ばしてー、ブランコこいでー」
指折りしながら嬉しそうに言う彼女に、冬哉が続いた。
「夏にはお祭りに行ってー、かき氷食べて花火見てー、風鈴の音聞きながら昼寝してー、海に行って泳いでー」
千秋もこくこくと頷いて後を引き継ぐ。
「秋にはお月見して、天の川見て、紅葉見に行って、ぶどうと梨食べて、七輪でサンマ焼いて」
「冬には雪山に行ってスキーとかして、こたつでみかん食べて、鍋パーティーして、湯たんぽして寝て」
私ははあっと息を吐く。
「ただ遊んで食っちゃ寝するだけじゃん……。ていうかそれ絶対、今考えたでしょ」
すると千秋がおかしそうにくくっと喉を鳴らし、「まあ」と口を開いた。
「活動内容は、なんでもいいんだ。四人で一緒にいられるなら」
私は思わず目を見開いた。四人で一緒に、って。
「私まだ入るなんて一言も言ってないのに、サークル名にも勝手に入っちゃってるし……」
千秋が私の顔を覗き込むようにすっと上半身を屈め、首を傾けた。
「だって、四人じゃないと変だから」
いつの間に彼はこんなに背が高くなったんだろう。小学生のころは私と同じか、少し低いくらいだったのに。なぜだか気まずくなって、目を逸らす。
「……別に変じゃないよ。幼馴染なんて、大きくなったらみんなばらばらになるのが普通でしょ。千秋たちは三人で仲よくすればいいけど、私はもう……違うから」
彼らの屈託ない明るさは、今の私には眩しすぎるのだ。
だから、やっぱりサークルなんて入らない。そう続けようとしたとき、冬哉が「つーかさ」と声を上げた。
「光夏、やっぱり今でも俺たちのことちゃんと見ててくれてるんだな」
私は「は?」と目を丸くする。
「そんなわけないじゃん。校舎も別だし、通学時間だって違うから、遠くから見かけるくらい……」
「だって、じゃないと、俺がまだサッカー続けてるなんて分からないだろ?」
冬哉がにっと笑った。私は一瞬言葉を失い、「それは、ただ」と呟く。
指折りしながら嬉しそうに言う彼女に、冬哉が続いた。
「夏にはお祭りに行ってー、かき氷食べて花火見てー、風鈴の音聞きながら昼寝してー、海に行って泳いでー」
千秋もこくこくと頷いて後を引き継ぐ。
「秋にはお月見して、天の川見て、紅葉見に行って、ぶどうと梨食べて、七輪でサンマ焼いて」
「冬には雪山に行ってスキーとかして、こたつでみかん食べて、鍋パーティーして、湯たんぽして寝て」
私ははあっと息を吐く。
「ただ遊んで食っちゃ寝するだけじゃん……。ていうかそれ絶対、今考えたでしょ」
すると千秋がおかしそうにくくっと喉を鳴らし、「まあ」と口を開いた。
「活動内容は、なんでもいいんだ。四人で一緒にいられるなら」
私は思わず目を見開いた。四人で一緒に、って。
「私まだ入るなんて一言も言ってないのに、サークル名にも勝手に入っちゃってるし……」
千秋が私の顔を覗き込むようにすっと上半身を屈め、首を傾けた。
「だって、四人じゃないと変だから」
いつの間に彼はこんなに背が高くなったんだろう。小学生のころは私と同じか、少し低いくらいだったのに。なぜだか気まずくなって、目を逸らす。
「……別に変じゃないよ。幼馴染なんて、大きくなったらみんなばらばらになるのが普通でしょ。千秋たちは三人で仲よくすればいいけど、私はもう……違うから」
彼らの屈託ない明るさは、今の私には眩しすぎるのだ。
だから、やっぱりサークルなんて入らない。そう続けようとしたとき、冬哉が「つーかさ」と声を上げた。
「光夏、やっぱり今でも俺たちのことちゃんと見ててくれてるんだな」
私は「は?」と目を丸くする。
「そんなわけないじゃん。校舎も別だし、通学時間だって違うから、遠くから見かけるくらい……」
「だって、じゃないと、俺がまだサッカー続けてるなんて分からないだろ?」
冬哉がにっと笑った。私は一瞬言葉を失い、「それは、ただ」と呟く。