昔のように四人で肩を並べて歩く。でも、申し訳ないけれど、私にとっては違和感と居心地の悪さしかない。
 居たたまれなさに歩調を速めたものの、三人は足早についてくる。もう、いい加減にしてほしい。
 あれから四日。三人は性懲りもなく私の前に現れては、謎のサークル活動に誘ってくる。何度も断っているのに、なぜか全く諦める素振りもない。
「絶対楽しいと思うんだよね。光夏ちゃんも部活入ってないでしょ? 別にそれでいいんだけど、せっかくならサークルやって毎日を充実させようよ!」
「おう、絶対楽しいと思うぞ、俺も!」
 春乃と冬哉が、何度目かも分からない説得をしてきた。
 こういうときには黙って様子見をするタイプだったはずの千秋も、
「サークルって、なんか、大学生みたいで、憧れの響きだよね」
 などと、なぜか積極的に口を挟んでくる。
「そう? 私はちっとも憧れないけど……」
「キャンパスライフといえばサークルじゃん!」
 冬哉の言葉に、私は「そうかなあ?」と首を傾げた。
「私たちだけだとつまずいちゃいそうだから、光夏ちゃんに協力してほしいなあ。私は馬鹿だし、冬哉は飽きっぽいし、千秋くんは超マイペースだし、絶対途中でだめになっちゃうもん」
 春乃がうなだれるので、私は「そんなことないでしょ」と首を振った。
「春乃はいつも周りが見えてて気を遣えて全然馬鹿なんかじゃないし、冬哉はずっとクラブチームのサッカー続けてるんだからちっとも飽きっぽくないし、千秋は……千秋は確かにマイペースだけど」
「え、俺はフォローしてくれないの」
 千秋がショックを受けたような顔をした。自覚がないんだろうか。春乃と冬哉が噴き出し、あははと声を上げて笑った。千秋もくすりと笑う。
 こうしていると、なんだか昔に戻ったみたいな感じがしてくる。錯覚だけど。昔になんて戻れないけど。
「ていうか、サークルサークルって言ってるけど、いったいなんのサークルなの?」
 錯覚に陥ったせいか、私は自分から話題を広げてしまった。案の定、冬哉がにやりと笑う。