「雪香とは、兄妹のようなものだ……それで、あんたにこうやって絡むのは雪香を見つけ出したいからだ」
「私をつけ回しても見つからないと思うけど。私だって雪香の居所が分からなくて困ってるんだから」
蓮は怪訝そうな顔をした。
「さっきから思ってたんだけど、なんで雪香を探す気になったんだ? 昨日は雪香が消えたのを喜んでただろ?」
「どうだっていいでしょ? とにかく私は雪香に何もしていない。私に絡んでも時間の無駄だから」
私は冷たく言い放った。
蓮の言葉の全てが真実とは思ってないけれど、雪香を探したい気持ちはきっと本当だと感じた。
本当に雪香は皆に大切にされている。
醜い感情が湧き上がるのを感じた。それを隠し不満そうな蓮を真っ直ぐ見据える。
蓮にばかり答えさせたから、不公平な気がして来ていた。少しだけ情報をあげなくちゃ。
「一つ教えてあげる、雪香と私が不仲な原因。直樹が原因なの……私達、彼を取り合って揉めてたの」
私の言葉に、蓮の顔色が変わっていく。
「妹の婚約者に手を出したのか?」
汚いものを見るように、顔を歪めて私を見る。
「最低だと思う?」
険しい顔をしたまま答えない蓮に、私は更に言い募る。
「でも、初めは雪香の婚約者だって知らなかったんだから仕方ないでしょ?」
「そうだとしても、分かった時点で身を退くべきだ……お前、最低だな」
軽蔑するように言う蓮を見ていたら、ひどく楽しい気持ちになって、私は声を立てて笑った。
「何がおかしい?!」
蓮が声を荒げる。私は笑うのを止め、蓮に答えた。
「だって、最低とか言うから……」
「あ?」
意味が分からないといったように、蓮が顔をしかめた。
「ねえ、あなたは今雪香を最低って言ったの……今の話は私と雪香の立場が逆なのよ。
元々直樹と付き合っていたのは私なんだから」
その言葉を聞いた瞬間、蓮はショックを受けたように顔を強張らせた。
「そんなにショック? 雪香の本性を知って」
「……雪香も悩んだはずだ。簡単にあんたの彼氏を奪った訳じゃない」
「さっきは最低だって言ってたじゃない、雪香の場合は特別に許せるわけ?」
すぐにそう言い返すと、蓮は悔しそうにしながらも黙り込んだ。
「とにかく、私達の不仲が決定的になったのはそれが原因。私は雪香を許せないけど、失踪には関わってないから」
「……本当に何も知らないのか?」
「私をつけ回しても見つからないと思うけど。私だって雪香の居所が分からなくて困ってるんだから」
蓮は怪訝そうな顔をした。
「さっきから思ってたんだけど、なんで雪香を探す気になったんだ? 昨日は雪香が消えたのを喜んでただろ?」
「どうだっていいでしょ? とにかく私は雪香に何もしていない。私に絡んでも時間の無駄だから」
私は冷たく言い放った。
蓮の言葉の全てが真実とは思ってないけれど、雪香を探したい気持ちはきっと本当だと感じた。
本当に雪香は皆に大切にされている。
醜い感情が湧き上がるのを感じた。それを隠し不満そうな蓮を真っ直ぐ見据える。
蓮にばかり答えさせたから、不公平な気がして来ていた。少しだけ情報をあげなくちゃ。
「一つ教えてあげる、雪香と私が不仲な原因。直樹が原因なの……私達、彼を取り合って揉めてたの」
私の言葉に、蓮の顔色が変わっていく。
「妹の婚約者に手を出したのか?」
汚いものを見るように、顔を歪めて私を見る。
「最低だと思う?」
険しい顔をしたまま答えない蓮に、私は更に言い募る。
「でも、初めは雪香の婚約者だって知らなかったんだから仕方ないでしょ?」
「そうだとしても、分かった時点で身を退くべきだ……お前、最低だな」
軽蔑するように言う蓮を見ていたら、ひどく楽しい気持ちになって、私は声を立てて笑った。
「何がおかしい?!」
蓮が声を荒げる。私は笑うのを止め、蓮に答えた。
「だって、最低とか言うから……」
「あ?」
意味が分からないといったように、蓮が顔をしかめた。
「ねえ、あなたは今雪香を最低って言ったの……今の話は私と雪香の立場が逆なのよ。
元々直樹と付き合っていたのは私なんだから」
その言葉を聞いた瞬間、蓮はショックを受けたように顔を強張らせた。
「そんなにショック? 雪香の本性を知って」
「……雪香も悩んだはずだ。簡単にあんたの彼氏を奪った訳じゃない」
「さっきは最低だって言ってたじゃない、雪香の場合は特別に許せるわけ?」
すぐにそう言い返すと、蓮は悔しそうにしながらも黙り込んだ。
「とにかく、私達の不仲が決定的になったのはそれが原因。私は雪香を許せないけど、失踪には関わってないから」
「……本当に何も知らないのか?」