「……で? 結局行くのは真澄、俺様、翡翠、そこの坊主と浅葱のおっさんだけか?」
本日二度も吹っ飛ばされたことにブツブツ文句を言いながら、笹波様が全員を見回して確認する。そうだ、時雨さんと姫鏡はどうするのだろう。
「自分は戦闘向きではないので、大人しく六花とお留守番しています」
「わたくしも足でまといになるだけですから、ここでみなさんの帰りを待ちますわ」
たしかに、私もりっちゃんを危険な場所に連れていくのは反対だ。りっちゃん自身は不満そうだけれど、こればっかりは仕方がない。
「──よし、そうと決まればさっそく作戦会議だ。今から行ったら着く頃には夜になっちまうからな。決行は明日。テメェら、気ぃ引き締めろよ」
笹波様の言葉に、みんなにピリッとした緊張が走るのがわかった。
その通り、仮に明日失敗すれば明後日には統隠局が動き出してしまう。
そうなれば、もう私たちに出来ることはない。一日だけのチャンスなのだ。
……覚悟を決めよう。
ぶっつけ本番の、大勝負だ。