まさか、家の中に空き巣が――!?


ふと見ると、ドアの横にある窓の格子に数日前に使って乾かしてあるビニール傘がある。


できるだけ物音を立てないようにビニール傘を手に取る。


ドキドキと高鳴る心臓を押さえながら、俺はそっとドアを開けた。

1DKの狭い部屋だ。

ドアを開けると唯一ある部屋の扉は閉まっていて、そこから漏れる細い光が玄関まで伸びていた。


玄関には、男物の大きな黒い革靴が一足と白地にピンクのラインの入った明らかに子ども用と思われる小さなスニーカーが一足。

どちらもつま先をこちらに向けて、綺麗に揃えてあった。

靴を脱いで揃えて上がるなんて、律儀な空き巣だ。


しかも、子連れ――?