河原沿いの道をいつも以上にぶらぶらと歩きながら、住んでいる二階建てのマンションにたどり着く。
ふと見上げると、一人暮らしのはずの部屋に灯りが点いていた。
消し忘れたのか……
首を傾げて、ぼんやりとそう思いながら、マンションの階段を早足で上がり、二階の自分の部屋の前にたどり着く。
鞄から鍵を出して鍵穴に差し込んで捻る。
ロックが開く音がしてドアノブをひいたが、動かないそれに逆に引っ張られてしまった。
もう一度鍵を差して捻ると、カチッと音がして今度こそドアが開く。
ということは……
部屋の中に入る前に考えた。
消したはずなのについている部屋の電気。
閉めたはずなのに開いていたドアの鍵。