少し迷ってから、チビの身体の下に腕を入れると抱えるように持ち上げる。


抱き上げたチビの身体は力が全然入っていないせいか腕に乗せても安定が悪く、その上予想よりも少し重たくて驚いた。


ウサギみたいなチビのくせに……


俺はうんざりとしながらも、チビを抱きかかえてベッドの上に寝かせて布団をかけた。

チビをベッドに寝かせてしまうと俺が寝る場所がなくなり、仕方なく数ヶ月前に干して片付けておいた冬用の毛布を引っ張り出すはめになった。


ベッドの横に置いてある食卓も兼ねたローテーブルをそれほど広くはない部屋の隅に押しやると、床に毛布を敷く。


その上に寝転がってしばらくじっとしていたものの、ベッドと違って床が堅すぎて寝られない。


寝られないことにイライラして、目が冴えて煙草が吸いたくなった。

起き上がって煙草を口に咥えたものの、チビがベッドで寝ているのが見えて、つけかけたライターの火を消す。