駅の改札を出ると、そのロータリーで親父が車を停めて待っていた。

遊園地を出るときに連絡を入れていたから、和央を迎えにきたらしい。


「陽央たちも家の前まで送ってやる」

親父がそう言うから、俺と朔も和央と一緒に車の後部座席に乗り込んだ。


車がマンションに着く直前、ズボンのポケットにいれていたスマホが鳴った。

見ると、奈未からの着信だった。

親父や朔たちの前で奈未からの電話に出るのも気がひけるから、彼女からの着信をそのまま無視する。

しばらく放置していると、奈未からの着信は切れた。

親父の車から降りて、朔と一緒に部屋に戻る。

風呂を沸かして、先に朔を入らせてやる。

その間に、奈未に電話を掛け直してみたけど今度は彼女が出なかった。

繰り返すすれ違いにため息をつきながら、何の用事だったのか奈未にメッセージ送ってみる。

そうしたら、数分も経たないうちに返信があった。