夏休みも終わりが近づいたある日の朝。
目を覚ますとスマホに不在着信が一件あった。
寝起きで乱れた髪をくしゃりと弄りながら、不在着信があった時刻とその相手を確かめる。
深夜0時を少し過ぎた頃に電話をかけてきていたのは奈未だった。
夏休み前に約束をすっぽかして以来初めての、彼女からの着信だ。
普段なら起きている時間帯なのにな。
奈未からの電話をとれなかったことを悔いながら、首すじを掻く。
留守電は残っていないし、着信があっただけでメッセージも入っていない。
俺はスマホを耳に押し当てると、奈未に電話を掛け直した。
何度かコール音を鳴らしてみたけれど、彼女からの応答はない。
一度切って、かけなおす。
それでも繋がらないので、諦めてスマホをベッドに置いた。
そろそろ仲直りしないとな。
気づけば、奈未とは一ヶ月以上、会うどころか連絡すら取り合っていない。
それなのにそのことがあまり気にかからなかった俺は、彼氏としては最低かもしれない。