「は?カズ、何でお前までいんだよ」

驚く俺を見て、和央がへへっと悪ガキみたいな顔で笑う。


「朔ちゃんと約束してるときにカズくんもわたし達の話を聞いていてそれで……」

「そうなんですか……」


和央のやつ、勝手に何やってんだ。

保育園が夏休み中で暇だからって……

親父や実家の母親はこのことを知っているんだろうか。

いくら近所だからとは言え、5歳のガキが両親にどんな説明をしてひとりで出てきたのだろう。

ちらりと睨むように和央を見る。

和央は笑いながらちょっと肩を竦めると、自分がここにいる理由を説明してくれた江麻先生の後ろにすっと身を隠した。

もし黙って家を出てきているなら、あとで実家の母親に電話をしておかないと。

そのことを思い少し憂鬱になって小さく息をついたとき、江麻先生が俺に問いかけてきた。


「お昼、どうします?朔ちゃんやカズくんがいるし、近くにあるファミレスとかが無難ですかね?ハンバーグとかオムライスとかありますし」