「パラリンピックもですが、また
遊びに来て下さいね」

私もロンさんにまた来て下さいと伝えた。
せっかく私も仲良くなれたのだ。
また3人で食事が出来たら嬉しい。
するとロンさんは、私をギュッと抱き締めてきた。
えぇっ!?心臓がドキッと高鳴ってしまう。

「結衣……君は、可愛いことを言ってくれるね。
連れて帰りたくなるよ!」

「あ、あの……」

「何やってんだ?お前は握り潰すぞ?」

課長は、私からロンさんを引き剥がすと
ロンさんの顔を鷲掴みにする。
大きな手でギリッと力を入れる課長は、
怖い表情をしていた。
課長……本当に握り潰そうとしないで下さい!?
私は、あわあわと止めた。

「嘘だって……痛い、痛い。
ごめんってば」

「まったく。油断も隙もない奴だ」

呆れながら言う課長にロンさんは、苦笑いしていた。
本当に仲がいいなぁ……。気心を知れてる。
そしてロンさんは、笑顔でタクシーに乗り込むと
帰って行った。
いざ帰っちゃうと寂しくなってきた。

「行ってしまいましたね」

私は、残念そうに言うと
「なんだ。アイツのことが気になるのか?」と
ギロッと睨み付けながら言ってきた。

ビクッと肩が震えた。
こ、怖い……。

「意味が違いますよ。
ただ亮平さんとロンさんの仲良くしているのを
見るのが微笑ましかったからで」

慌てて否定しようとした。
すると課長は、私を抱き締めてくる。
えぇっ……課長!?