「す、すみません」
あぁ、恥ずかしい……。
想像しただけでも顔から火が出そうだ。
「結衣。謝らなくていいぞ。
わざとやったのだからな」
驚いて見ると課長は、いつの間にか
シャワーを浴びてリビングに入ってきていた。
確かにわざとだったけど……。
「酷いなぁ~君は。まぁ、いいけど」
えっ?いいのですか!?
ロンさんの反応が変わっているので
驚いてしまった。気にしてないようだった。
それから支度を終わらせて3人で朝食をするのだが
何とも不思議な組合せだった。
ロンさんは、私の作った朝食を美味しそうに
食べてくれた。
「おーこの味噌スープが旨い。
この焼き魚も絶品だ」
「味噌スープじゃなくて味噌汁だ」
「アハハッ……気に入ってくれて良かったです。
そういえばロンさんって随分と日本語がお上手ですね。
何処で習ったのですか?」
カタコトではないし凄く上手い。
外国人の方にとったら難しい言葉も知っているし。
誰に習ったのかしら?
「あぁ、日本語の勉強をしたからね。
それにある人が日本人だったから
その影響かな」
ロンさんは、そう言ってクスッと笑った。
ある人……?
私は、不思議そうに首を傾げた。
「それは、どなたですか?」
これって聞いてもいいことかしら……?
辛い過去を思い出すようなら避けたいし
「俺の義理のお母さん。
実母は、爆発事故で亡くなってね。その後に
父が再婚をしたんだけど。その人が日本人なんだ。
気さくな人で俺にたくさんの日本語や
文化のことを話してくれた」