今からだとパラリンピックとか
大会かの実績もないから無理だけど課長と共に走り
支えることなら出来る。
それをやるなら中途半端ではダメだ。
私は、一度諦めた陸上を本気で再開させることで
自分の甘さを変えたいと思った。
これなら私なら……いや。私しか出来ないことだ!
「へぇ~いい心掛けじゃない。
私は、応援する。それにだからかな?
最近の結衣って何かキラキラしているよね?」
「えっ?そうかなぁ……?」
自分では、自覚が無かった。
でも、考えてみれば確かにそうだわ。
陸上を辞めてから何をするにも無気力だった。
やる気も起きずにダラダラとただ過ぎて行くのを
待っているだけのつまらない生活。
正直飽き飽きしていた。だけど今は違う。
課長の支えになりたくて
一緒になって走るのが楽しくて仕方がない。
昔のような走りは、もう出来ないけど
自分なりに頑張ろうとしていた。
言われてみれば確かに充実した生活を送っていた。
「なんか昔の結衣に戻ったみたいで
私は、凄く嬉しいわ。
これも愛する課長さんのためなのね」
綾音は、からかいながらも笑顔で
そう言ってくれた。もう……と思いながらも
綾音には、たくさん迷惑をかけた。
やる気のない私を一生懸命に励ましてくれて
クラブまで誘ってくれた。
「綾音もありがとね。
私は、もう大丈夫だから」
それは、きっと新しい目標を見つけたからだ。
課長の支えになりたい。一生添い遂げたいって……。
それが私の力になっていた。
綾音も嬉しそうに笑ってくれた。
その夜に課長にもそのことを話したら
嬉しそうに笑ってくれた。
「そうか……新しい目標を見つけたか」
「はい。いつの間にか自分の目標になっていました。
今は、まだ全然上手く走れないけど、もっと
頑張って鍛えて亮平さんと一緒の大会に出たいです!」
照れながらも課長に気持ちを伝えた。
すると課長は、私の頭を撫でてくれた。
「確かに、さらにいい目をしている。
将来が楽しみだな」