「か、課長……?」
恐る恐る課長の名を呼ぶと
突然、私の腕をガシッと掴んできた。
「いいから、ちょっと来い」
「いや……課長。離して下さい」
そう言うと連れ出そうとする。
えっ………ちょっと!?
私は、ワケが分からずに訴えるが課長は、
それを無視した。無理やりタクシーに乗せられて
向かった先は、課長の住んでいるマンションだった。
な、何で課長宅なの!?
タクシーから降りるとそのまま私を掴んだ状態で
マンションの中に入って行く。
部屋に入ると向かった先は、寝室だった。
えぇっ!!
こんな状況で何を考えているの!?
私は、信じられないと思った。
「か、課長。私は、嫌ですからね!!
こんなモヤモヤした気持ちのまま抱かれるなんて」
「はぁっ?何を言っているんだ?」
必死に抵抗すると課長は、呆れたように言ってきた。
えっ?違うの……?
課長は、私の手を離すと押し入れを開けてきた。
そして私をジロッと睨み付けてきた。
「何処だ?お前が見つけたアルバムは……?」
アルバム……?
きょとんとするが、それが
私の見つけたあのアルバムのことだと気づいた。
何でそれを……?
「何で課長がそのことを知っているんですか?」
「篠原コーチから事情を全部聞いた。
いいから、そのアルバムのあった場所を教えろ」
怒った口調で言ってくる。篠原さんが!?
だからと言って、それの場所を知りたがる課長の
真意がよく分からなかった。
そのアルバムをどうする気だろうか?