篠原さん……。
私は、戸惑いながらも悩みを打ち明けてみた。
すると篠原さんは、なるほどと納得する。
何が、なるほどなのだろうか?
私は、首を傾げていると篠原さんがニコッと笑った。
「それは、本人にきちんと確かめた方がいいよ」
えっ?どうしてそう思うのだろうか?
不思議に思っていると近くで聞いていた
夏美さんが
「そんなの未練があるに決まってるじゃない。
元カノなら、なおさらよ」
面白くなさそうに言ってきた。
夏美さんの言葉にショックを受ける。
そ、そんな……。
「こら、夏美。
そんな嘘をついたらダメだろ!?」
「だって……見てるとイライラするんだもん。
こういう人って」
篠原さんが夏美さんに注意するとムスッとしていた。
「まったく。二階堂さん。
夏美のは、嘘だから。真実を知るのもそうだが
辛いことは、辛いと言った方がいいよ!
それに日向君は、真面目で優しい子だ。
君を傷つけることはしないと思うよ」
篠原さんは、優しい口調で私にそう言ってくれた。
確かに課長は、真面目で私を大切にしてくれる。
このまま真実を知らない状態でいて
本当にいいのだろうか?
課長の言葉を思い出した。諦めたらダメだと……。
「私、課長……じゃない。亮平さんに
真実を聞いてみます」
モヤモヤしたままで過ごしていたら
きっと、またダメになっちゃう。
私も変わりたい……。
いつまでもこのままで居たくない。
「いい心掛けだ」
そんな私を篠原さんは、クスッて微笑んでくれた。
そうだ。このままだとダメなんだ。
私は、決意を固める。しかし、どう切り出すかが
問題だった。どうしたら、課長に上手く伝えることが
出来るのだろうか。うーん。
下手なことを言ったら怒られるし……。