「えっと……じゃあ、そのとんこつ醤油で」
そう言うと課長は、とんこつ醤油を2つと
餃子を2人前頼んでくれた。
しばらくすると、とんこつ醤油ラーメンと餃子が
来たので早速食べてみる。
すると濃厚かと思ったが意外とアッサリしていて
とても美味しかった。
これは、課長が気に入るのも分かるわ。
思わず納得する美味しさだ。
「あ、あの凄く美味しいです」
「それは、良かった。餃子も食え。
これも皮がバリバリなのに
中身は、ジューシーで旨いぞ」
「はい。」
私は、言われた通りに餃子も食べてみる。
確かに皮がバリバリだが中身がジューシーで
美味しかった。
夢中で食べていると課長は、それを見ながら
クスッと笑っていた。あ、笑っている……。
課長が笑うと何だか胸がキュンと締め付けられた。
「お前は、本当に旨そうに食べるな。
連れてきた甲斐があるってものだ」
そう言うと自分のラーメンを食べだした。
褒めてくれたのも驚いたけど
私の食べっぷりを見て笑った課長にも驚いた。
食べているところを見られるのは、恥ずかしかったけど
何だか嬉しい気持ちになった。
そして2人であっという間に完食をしてしまった。
会計は、課長が出してくれることに
お礼をちゃんと言いたいのだが言葉が出てこない。
でも言わないと……。
「あの……ご馳走さまでした。
凄く美味しかったです。その……すみません。
お会計まで」
「気にするな。誘ったのは、俺なのだから。
二階堂は、電車だったな?俺も電車だから
駅まで一緒に行くぞ」
課長は、私にそう言ってくれた。
私は、笑顔ではいと答えた。
嬉しい……まだ一緒に居られるから
駅まで行く間。課長に降りる駅を聞いたら
なんと私の降りる駅の1つ前の駅だった。