「俺が嫌だからだ!」

課長は、ドキッパリと答えてきた。
俺が嫌だからって……どういう理屈なの?
まったく意味が分からなかった。話が唐突過ぎです……。

「あの……それってどういう意味でですか?」

心臓がドキドキと高鳴ってしまう。
どうしよう……変な期待をしそうだ。

「どういう意味って……そのまんまだが?」

いや、だから意味が分からないんですってば!!
それだと……。
課長は、無駄な言葉が嫌いなのか
必要最低限なことしか話さない時がたまにある。
すまり察しろと……?
そう言いたいのだろうか?

「大体、合コンに行くとか、どういうことだ?
会社でも女性共は、男がどうとか
合コンがどうとかって、そればかり話をしている。
会社は、男を漁りに来る場所ではない。
それも分からないとは……学生気分のままで
居られても困るぞ」

何故だか説教が始まってしまった。
それのほとんどは、紺野さん達なのだが
課長にしたら、どちらも同じらしい。

説教をされて、しゅんと落ち込んでいたが
途中で篠原さんが呼びに来てくれて難を逃れた。
た、助かった……。
こんなことなら合コンに行くのを無理やりでも
断るべきだったわ。

課長に誤解をされるし、説教されるし散々だ。
ハァッ……と深いため息を吐いた。
そして、そのままトラックに戻り普通に走る練習をした。
結局、課長の真意が分からないままだったけど……。

一体何だったのだろうか?
課長の発言が不思議で仕方がなかった。
そんな気持ちを抱いたまま翌日。課長は、休みだった。
待っても来る気配はない。あれ?どうしたのかしら?
課長が寝坊とか考えにくいし……。

「おの……課長は、休みですか?」

私は、今井さんに尋ねてみた。
前も教えてくれたし今井さんなら
何か理由を知っているかもしれないと思ったからだ。

「あぁ、今日は、病院に寄ってから
出勤するって連絡が来たわよ!
ほら、あそこにも書いてあるでしょ?」

そう言い指を指した方を見ると確かに掲示板に
AM年休み(病院)と書いてあった。