「私にとって秋山さんはアイドルであり、スターなのよ。わかる? そのスターがね、ついに、私を"もとちゃん"って呼んでくれるようになったの」
『もとちゃん、合間でいいんだけど、また資料頼んでもいい?』
ある日突然、私は"有水さん"から"もとちゃん"に昇格になったのである。
そればかりか、ついにはランチもご馳走してもらう仲になった。
きっかけはお弁当を忘れてきてしまってコンビニにお昼を買いに行った時。
『もしかしてお弁当買うつもりなら、ランチしない?』
偶然居合わせた彼にそう誘われて、ふたりで入ったカフェ。緊張でパスタの味なんて覚えていないけど、秋山さんが見せてくれた素敵な笑顔は、しっかりと記憶と心に焼き付いた。私は一生忘れないと思う。
「本当に素敵な人なの。私、恋しちゃったのかなぁ? ねぇ、白猫ちゃん。どう思う?」
白猫は迷惑そうに私を見上げて、大きなあくびをする。
と同時に、【そんなの知るか】という声が聞こえた気がした。
――え? 気のせい?
でも待てよ。
世の中にはアニマルコミュニケーターという動物と会話ができる人たちがいる、がんばれば自分もできるかも?
期待に瞳を輝かせ屈みこんで、真剣に話しかけてみた。
「白猫ちゃん、次回は私が話すばっかりじゃなくて、ちゃんとお話ししましょうね」
美しいオッドアイでジッと私を見た白猫は、怪訝そうに見つめ返し、プイッと横を向く。
――あ、そういえば。
その瞳を見て、私は思い出した。
「そうそう。これ見て」
指先で差し出すように見せたのは、ネックレス。
揺れるチャームは猫だ。
『もとちゃん、合間でいいんだけど、また資料頼んでもいい?』
ある日突然、私は"有水さん"から"もとちゃん"に昇格になったのである。
そればかりか、ついにはランチもご馳走してもらう仲になった。
きっかけはお弁当を忘れてきてしまってコンビニにお昼を買いに行った時。
『もしかしてお弁当買うつもりなら、ランチしない?』
偶然居合わせた彼にそう誘われて、ふたりで入ったカフェ。緊張でパスタの味なんて覚えていないけど、秋山さんが見せてくれた素敵な笑顔は、しっかりと記憶と心に焼き付いた。私は一生忘れないと思う。
「本当に素敵な人なの。私、恋しちゃったのかなぁ? ねぇ、白猫ちゃん。どう思う?」
白猫は迷惑そうに私を見上げて、大きなあくびをする。
と同時に、【そんなの知るか】という声が聞こえた気がした。
――え? 気のせい?
でも待てよ。
世の中にはアニマルコミュニケーターという動物と会話ができる人たちがいる、がんばれば自分もできるかも?
期待に瞳を輝かせ屈みこんで、真剣に話しかけてみた。
「白猫ちゃん、次回は私が話すばっかりじゃなくて、ちゃんとお話ししましょうね」
美しいオッドアイでジッと私を見た白猫は、怪訝そうに見つめ返し、プイッと横を向く。
――あ、そういえば。
その瞳を見て、私は思い出した。
「そうそう。これ見て」
指先で差し出すように見せたのは、ネックレス。
揺れるチャームは猫だ。