オフィスビル外階段の三階踊り場は、資子の隠れ処。

いつものようにお昼休みをひとりでのんびり過ごしていると、金目銀目の美しい白猫が現れた。
仕事の愚痴や恋の話。色々と聞いてもらっているうちに、資子は白猫と会話ができるようになる。

又吉だと名乗る白猫は言う。
【俺は猫じゃない、猫又だ】

その一方で、密かに憧れている営業部の秋山さんと急接近してゆく資子。
なにかがおかしいと思いながら、恋する気持ちにあらがえず、秋山さんに振り回されてゆく。

そして迎えたクリスマス。
恋に破れて傷心の資子は、又吉と約束の場に向かうが、なぜか秋山さんが現れる。

秋山さんの正体は、人ではなかった。
そして又吉は、人になって現れた。

恋にときめき、恋に傷つき、そして新しい恋に癒される。
普通のOL有水資子の、ありそうでなさそうな、ちょっと不思議な恋のお話。