ふいに強い風が吹いて身震いした。
天気が良いとは言っても、もうすぐ年末である。

「クリスマスの予定、無くなっちゃったな……」
何の気なしに、ポツリとつぶやいた。

秋山さんはもう何も頼んではこないだろう。実際一週間経った今もなにも言ってこない。資料を頼まれることもないのだから、ランチを誘われることも当然ない。
もちろんクリスマスの予定は消えた。

【俺が一緒にいてやるよ】

「え? 本当に?」

【そこの公園にクリスマスツリーがあるだろう? あそこにクリスマスイブに夜七時、待ち合わせだ】

「ほんとに、ほんとに?!」
【猫又に、二言はないぜ】

そして、又吉とはしばしのお別れということになった。

寒いから出歩くのが嫌なんだという。


【お前もこんなところにいたら、風邪ひくぞ。もうくるな】

「はーい。わかりました」

又吉、ありがとう。
なんだかんだいって本当に優しいね。
ふふふ、猫は気まぐれだけど嘘はつかない。大好きだよ、又吉。