「え? 鮭食べるの?」
秋山さんが目を丸くする。
「え? 秋山さん、鮭嫌いなんですか?」
「いや、そんなことないよ。ただなんとなく、もとちゃんはミートソースの方を頼むのかなぁと思って」
「あはは、いつもそうですもんね。でも旬なので違うものにしようかと」
秋山さんが選んだ料理は秋ナスのミートソース。
私が頼んだのは、微かなにんにくの香りを漂わせながら、トロリとしたクリームが湯気を立てる秋鮭といくらのクリームパスタ。
――美味しそうっ過ぎるっ!
狙いを定めてパスタにフォークをいれたところで、秋山さんが言った。
「またよろしくね」
ハッとした同時に、ピタリとフォークが止まる。
例のことを言わなければならない。
でも大丈夫。やらないって言うわけじゃないし、ただ手順を踏んでもらうだけなのだから。
そう言い聞かせながら、顔を上げて二ッと笑顔を作った。
「それが、あの、直接仕事を受けちゃいけない、ということになりまして……すみません。あ、でも部長か課長を通してさえ頂ければ、今まで通りにやりますから!」
ペコリと頭を下げて、またパスタに目を落とした。
――はぁーーよかった、言えたぁ。
「え? それって誰に言われたの?」
「えっ? と、それは……」
南さんですとは言えない。告げ口のようになってしまう。
「もしかして南さん? そうでしょ?」
秋山さんは鋭かった。
うっ、と息を飲んだ私は困り果てた。これはまずい展開である。違うと言えば嘘になるし、否定しないと肯定したことになってしまう。さてどうしたものか。
そんな戸惑いを見透かしたように秋山さんが言った。
「実はさ、昔、彼女に告られたことがあって……、もとちゃん、嫉妬されているかもしれないな。ごめんね」
秋山さんが目を丸くする。
「え? 秋山さん、鮭嫌いなんですか?」
「いや、そんなことないよ。ただなんとなく、もとちゃんはミートソースの方を頼むのかなぁと思って」
「あはは、いつもそうですもんね。でも旬なので違うものにしようかと」
秋山さんが選んだ料理は秋ナスのミートソース。
私が頼んだのは、微かなにんにくの香りを漂わせながら、トロリとしたクリームが湯気を立てる秋鮭といくらのクリームパスタ。
――美味しそうっ過ぎるっ!
狙いを定めてパスタにフォークをいれたところで、秋山さんが言った。
「またよろしくね」
ハッとした同時に、ピタリとフォークが止まる。
例のことを言わなければならない。
でも大丈夫。やらないって言うわけじゃないし、ただ手順を踏んでもらうだけなのだから。
そう言い聞かせながら、顔を上げて二ッと笑顔を作った。
「それが、あの、直接仕事を受けちゃいけない、ということになりまして……すみません。あ、でも部長か課長を通してさえ頂ければ、今まで通りにやりますから!」
ペコリと頭を下げて、またパスタに目を落とした。
――はぁーーよかった、言えたぁ。
「え? それって誰に言われたの?」
「えっ? と、それは……」
南さんですとは言えない。告げ口のようになってしまう。
「もしかして南さん? そうでしょ?」
秋山さんは鋭かった。
うっ、と息を飲んだ私は困り果てた。これはまずい展開である。違うと言えば嘘になるし、否定しないと肯定したことになってしまう。さてどうしたものか。
そんな戸惑いを見透かしたように秋山さんが言った。
「実はさ、昔、彼女に告られたことがあって……、もとちゃん、嫉妬されているかもしれないな。ごめんね」