「おはよーございまーす。」

いつものようにパントリーの扉を開けつつ挨拶をする。

「つっちー、よかったなぁ！」

瀬尾さんがニヤニヤしながら腕をバシバシ叩いてくる。
ニヤニヤ度が半端ない。
何を企んでいるんだ、気持ち悪い。

「ちょっと何ですかいきなり。痛いんですけど。」

俺が抗議の声を上げると、香月さんが「土橋くん」と俺を呼ぶ。
瀬尾さんとはうってかわって凛とした香月さんは、その透明感ある声で、「グッジョブ」と親指を立てた。

「…は？」

似合わなさすぎるし意味不明だしでポカンとしていると、パントリーの扉が開いて、

「おはようございます。」

と挨拶が聞こえた。
反射的に挨拶を返そうと振り向いて、俺は息を飲んだ。